勤労感謝の日なので仕事にちなんだ記事を書こうと思う。
仕事に貴賎なしという言葉は大ウソ
「仕事に貴賤なし」「仕事に上下関係はない」という言葉がある。
一見すると真理をついているように聞こえるし、何より実に「聞こえのいい言葉」である。
しかし、さまざまな仕事を経験してきた自分から言わせてもらえばこんなものウソである。
この言葉を本気で言える、もしくは思っている人がいるとすればよっぽどの人格者か、ただの世間知らずだ。
学歴と仕事が釣り合っていないと疑問に持つ時点でアウト
例を挙げよう。
誰もが知ってるレベルの難関大を卒業して卒業後の就職先が介護やスーパー・コンビニ、工場勤務、パチンコ屋と聞いても何ら違和感や疑問を持たないなら、本気で仕事に貴賤なしと思っているのだろう。
しかし、たいていの人は「せっかくそんないい大学を出てなんでその仕事に?」という疑問を持つはずだ。
現にそういうネタのネット記事は結構多く目にする。
「仕事に貴賎なし」「仕事に上下関係なんてない」と本気で思っているならそんな疑問は頭に出ないはずだ。
そもそもどんな大学を出たとか、立派な学歴があることと社会に出て何の仕事に就くかは関係あるようで実は全く関係ない。
少なくとも日本においては職業選択の自由があるのだから、どんな学歴があろうと関係なく仕事を選んでいいのだ。実際にその仕事に就けるかどうかはさておき。
ということは無意識のうちにそれらの仕事を「見下して」いるのだ。
口ではきれいごとを言っておきながら「そんな良い学歴がありながらそんな仕事に就くのはおかしい」と思っているのだ。
これほど悪質なことはないのではないか。
仕事をいくつも経験したらわかる
もちろん世の中に本当の意味で「あってもなくても良い仕事」というのは存在しない。
そういった仕事は自然消滅するのが常だからだ。
しかし「あってもなくても良い仕事はない」ということと「仕事に貴賎なし」「仕事に上下関係なし」は似ているようで全く違う。
「世の中的にないと多くの人が困る仕事」だが「人から見下される、馬鹿にされる仕事」「あまり良いイメージを持たれない仕事」というのは確実に存在する。
ここまで書くと自分がホントにひどいことを書いているように見えるだろう。
しかし、実際に軽く10以上の仕事を経験してみると世の中の仕事に貴賤がないとか上下関係がないなんてとても言えなくなる。
口では礼を言ってくれるが内心ではバカにしてるんだろうなという場面には何度も遭遇している。
これは僕と同じようにいくつもの仕事を経験した人でないとわからないだろう。
だから冒頭で本気で「仕事に貴賤なし」「仕事に上下関係なんてない」と言える人はよっぽどの人格者か、せいぜい1つか2つ程度の仕事しか経験してきていない「世間知らず」だと書いたのだ。
こういう「本音と建て前」のずれがぼくは大嫌いだ。
現実は全くそんなことないのにそれを無視して聞こえの良い言葉でごまかす、なんと悪質なことだろう。
こういった現実が確実に存在することを正面から認めたうえで、あらゆる仕事に感謝するというのが本当の意味での「勤労感謝」ではないだろうか。
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