親は駅で子供から手を絶対に離すな

先日、外出した帰り駅で電車を待っていた時の話だ。

自分が乗る列車の一つ前の列車が到着した。

扉が開いて乗客の乗り降りをぼけーっと遠くから何となく見ていた。

もうすぐ扉が閉まるというときに事件が起きた。

僕の膝くらいの背丈しかない小さい子どもが一人で駆け込んで列車に乗ろうとしていた。

親らしき人は周りにいない。

親どこにおんねんこんな小さい子供から手を離すなよと思った瞬間である。

その子供が列車とホームのわずかなすきまから転落しそうになったのだ。

うわっ！と思ったのだが間一髪、周囲の人と親らしき人がその子の体をつかんで転落することなく事なきを得た。

結構離れた位置から見ていた僕ですら肝を冷やす思いをしたのだから、その子の周囲にいた人たちは生きた心地がしなかったことだろう。

全く無事でよかったものである。

無事でよかったのだが、後になって多くの人が利用する駅でひざ丈にも達しないような小さい子供を野放しにしていた親に強烈な怒りが湧いてきた。

もしあのままホームと列車のすき間から子供が転落していたらどうするつもりだったのか。

まず当然列車は出発できない。

そして救出もすぐに簡単に行えるものではない。

落ちた場所から大人がもぐりこんで救出なんてまず不可能である。それくらい駅のホームと列車の隙間は狭い。

となると列車の前後からホームの下にもぐりこんで救出に向かう必要がある。

相当時間がかかるし、そもそもホームと列車の間の狭い空間を移動していかないといけないわけでかなり難航する。

しかも、多くの人は知らないと思うが列車の下には多くの機器類や設備が付いている。

これらの機器や設備は触れると感電する危険なものもかなり多い。

よく人身事故の当該列車が救出作業時に列車の電源を落とすことがよくあるが、これは列車の下にもぐりこんだ際に誤って機器類や設備に触れて感電することを防ぐためである。

しかもこういった機器類は高電圧なので電源を落としたからといって、すぐに感電する危険がなくなる状態にはならない。

この点でも時間がかかる。つまり列車の遅れにつながる。

ちょっと親が子供から目を離して転落等の事故が発生するだけで、鉄道会社および他の乗客に多大な迷惑がかかるのだ。

子供にしても転落した箇所で動かずにおとなしくしていればまだましだが、混乱してそこらじゅうを走りまわったり列車下の機器類に触れて感電したらどうするのか。

駅だけでなくショッピングモールや道端でも子供がずっと先の方まで走ってて親元からかなり離れてても親が我関せずな感じでスマホをいじって子供から目を離しているのをよく見る。

その行為でどれだけの人が迷惑すると思っているのか。

誤解されると困るので言っておくが別に子供が嫌いだからこんなことを書いているのではない。

どれだけ子供に過失があったとしても、ケガをさせたり最悪亡くなるようなことがあればほぼ100%加害者側の責任になる。一時の怠慢で周囲に多大な迷惑をかけるのだ。

少し前に、小さい子供に犬猫のようにリードを付けて外出することの賛否が話題になったことがあるが、個人的にはグルグル巻きにしてでも親から離れないようにすべきだと思う。

ホントに肝を冷やす出来事であった。二度と見たくない。
小さい子供を持つ親は外で子供から絶対に目と手を離すな、強くそう思った。